厳しい商標法罰則

前回、商標権侵害の例をお話しました。本日は、商標権侵害の罰則についてご紹介します。ニュース等で、有名ブランドに対する「商標法違反」というタイトルを見かけますが、商標法には、厳しい罰則規定が定められています。

商標法第78条(侵害の罪)

「商標権者又は専用使用権者を侵害した者は、 十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」

「併科する」とは、法改正により追加されもので、10年以下の懲役と、1000万円以下の罰金の双方が科される場合もあることを意味します。かなり厳しい規定です。

商標法第80条(虚偽表示の罪)

登録商標以外の商標使用が虚偽の表示となるような行為については、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処する。」

登録を受けていない商標を、あたかも登録商標であるかのように表示する行為を禁止するものです。

商標法第82条(両罰規定)

たとえば、ある法人の代表者又は従業者が「侵害の罪」を犯した場合、その法人に対しても、「三億円以下の罰金」が科せられます。

商標権侵害の罪は、その公益性が高いことから、行為者のみならず、その行為者が属する法人も罰する趣旨です。

商標権の罰則規定は、以上の通り、大変厳しい内容になっています。これらの規定を踏まえ、商標の使用にあたっては、十分に注意する必要があります。