商標早期審査請求の利用状況

商標審査が長期化している現在、審査期間を2~3か月に短縮できる商標早期審査請求は、非常に有効な制度といえますが、実際、どの程度利用されているのかを調べてみました。

特許行政年次報告書2021年版〈統計・資料編〉に商標早期審査請求件数が報告されておりましたので、ご紹介します。報告書では、2011年から2020年の件数が記載されており、全出願数における商標早期審査請求率も調べてみました。

 2011年 出願数:108060 早期審査件数:1253 利用率:1.2%

 2012年 出願数:119010 早期審査件数:1504 利用率:1.3%

 2013年 出願数:117675 早期審査件数:1587 利用率:1.3%

 2014年 出願数:124442 早期審査件数:1781 利用率:1.4%

 2015年 出願数:147283 早期審査件数:2074 利用率:1.8%

 2016年 出願数:161859 早期審査件数:2210 利用率:1.4%

 2017年 出願数:190939 早期審査件数:3447 利用率:1.8%

 2018年 出願数:184483 早期審査件数:5278 利用率:2.9%

 2019年 出願数:190773 早期審査件数:8119 利用率:4.3%

 2020年 出願数:181072 早期審査件数:11204 利用率:6.2%

ここ10年の前半では、利用率約1%で、近年利用が増加してきましたが、昨年でもまだ約6%です。非常に有効な制度なのに、あまり利用されていない状況です。弊所では、特許庁からの指導もあり、積極的に本制度を利用させていただいており、その効果を日々実感しております。

本制度は、既に出願済みで審査待ちの状態でも、後から単独で請求できるため利用しやすく、また特許庁の無料サービスであるため、請求書面等をご自分で作成提出できれば、費用は一切かかりませんので、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、早期審査請求を受けるには、一定の条件を満たす必要がありますので、詳しくはお問い合わせください。また、弊所では、審査請求書類をご自分で作成したい方へのアドバイス、弊所での書類作成代行等も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。